情報学とは何か

情報学

情報学とは

情報学とは簡単に言うと現代社会での情報の仕組み、流れを体系的に理解し、情報やメディア、コンピュータ等に関する知識を身につけ探求する学問です。

現代は科学の発展に伴って多くの技術が確立してきました。その中でもコンピュータは膨大な計算や情報処理を可能にし、それまで実現できなかった複雑な処理の組み合わせやシミュレーションなどによる研究手法が登場します。
また、インターネットや各種センサーを活用することで従来では得られなかった多種多様な情報が取得でき、これらを活用した新たな学問も登場しました。

情報通信は既存の学問に新たな研究手法を確立したと同時に、新しい学問領域を創り上げたのです。
そのため、一言で情報学と言ってもそれを説明するのは難しく、情報をテーマとした多くの分野に分かれています。

情報学の分野

今回は日本学術会議による「大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準 情報学分野」を参考に情報学の中核部分を体系化した分類を紹介します。

  • 情報一般の原理
  • コンピュータで処理される情報の原理
  • 情報を扱う機械および機構を設計し実現するための技術
  • 情報を扱う人間社会に関する理解情報を扱う人間社会に関する理解
  • 情報を扱う人間社会に関する理解
  • 社会において情報を扱うシステムを構築し活用するための技術・制度・組織

情報一般の原理

情報の意味するものや影響力を通じて世界を変化させ、そこに価値と秩序を与えることを認識しなければなりません。
これらの情報を普遍的に理解するには、電子機器が扱う情報と社会的コミュニケーションにおける情報の関係性を把握することが求められます。

記号論やサイバネティクスに由来する概念を含み、情報と情報学を分類し、情報学の中核部分全体を体系化する指針を与えている。

記号論、サイバネティクス、認知科学、生命哲学の関連部分を学ぶことが求められます。

大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準 情報学分野

コンピュータで処理される情報の原理

コンピュータで処理可能な形式に変換された情報に関して、その生成・探索・表現・蓄積・管理・認識・分析・変換・伝達に関わる原理を理解することが求められます。

計算理論や情報理論を含み、計算機科学の基礎分野に相当する。

数学、論理学、自然科学の関連部分を学ぶことが求められる。

大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準 情報学分野

情報を扱う機械および機構を設計し実現するための技術

コンピュータ(情報を扱う機械及び機構)を設計し実現するための技術を理解することが求められます。
さらに情報を扱う機械及び機構を自作するものは、その技術を使いこなせるよう身に付けることも求められます。
参考の参照基準ではコンピュータを作るための基本的な技術をコンピュータハードウェア、入出力装置、基本ソフトウェアに分類し、それぞれが学ぶことを求めています。

計算機科学において、コンピュータシステムを設計し実現する技術を中心とした部分に相当する。

数学、論理学、自然科学の関連部分を学ぶことが求められる。

大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準 情報学分野

情報を扱う人間社会に関する理解

情報技術を基盤にした人間社会のコミュニケーションの特徴と課題を考察するために、コミュニケーションの原理、メディアの技術的・社会的特性とそれに基礎づけられたコミュニケーションの特徴、コンピュータが介在したコミュニケーションと社会システムの特徴、情報技術を基盤にした文化を多角的に学ぶことが求められます。

メディア論やコミュニケーション論を含み、社会情報学と呼ばれる諸分野に対応している。

メディア論、コミュニケーション論、社会学の関連部分を学ぶことが求められる。

大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準 情報学分野

社会において情報を扱うシステムを構築し活用するための技術・制度・組織

社会の基盤となってる情報システムを構築し、効果を得るための技術に加えて、情報システムを取り巻く制度や情報システムを導入する組織に関する知識を有していることが求められます。
参考の参照基準では、情報システムを開発する技術、情報システムの効果を得るための技術、情報に関わる社会的なシステム、情報システムと人間インターフェースに関する原理や設計方法に分類されます。

情報システム分野に相当している。

経営学、経済学、認知科学、認知心理学、人間工学、システム工学、コミュニケーション論、管理科学、数理と論理の関連部分を学ぶことが求められる。

大学教育の分野別質保証のための教育課程編成上の参照基準 情報学分野

このような知識体系は応用面からも影響を受けるので、今後の新たな応用領域の誕生とともに、さらに発展し体系化されていくことが予想されます。

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